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辰田法律事務所 (弁護士 辰田昌弘) | 取扱業務 | 支払いができなくなった場合の破産(免責)申立


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支払いができなくなった場合の破産(免責)申立

自己破産申立・免責
いろいろと頑張ったがどうしても支払いができなくなる場合もあります。
そのような場合、裁判所に破産(免責)を申し立てる方法があります。
どのような手続なのか正確に理解しておきましょう。


1.負債の増大

生活をしていく中で、借入れの必要が生じることがあります。借りる時には返済ができると考えていても,予想外のできごとで返済が困難になってしまうことがあります。たとえば、病気になった、勤務先が倒産した、給料が減額されたという理由で返済ができなくなった方もいらっしゃいます。厳しい社会ですので、誰でも、どこかでつまずいてしまう危険はあります。
中には,カードでの買い物やギャンブルで借金をしてしまったという方もいるかもしれません。それにもいろいろと理由がある場合も多いでしょう。

事業の場合でも同じです。開業したが見込み違いで売上げがあがらなかった、取引先が倒産し代金が回収できなくなった、長年経営していたがこの不況で売上が激減した、高齢で後継者も見つからず経営できなくなった等の理由で事業に関する債務の返済が無理になることもあります。

金融機関等正常な先からの借入が無理になり、全財産をもってしても到底債務の返済ができなくなった場合、もうそれ以上無理を重ねるべきではありません。
ヤミ金融やおかしな融資先から金を借りたりすると後でたいへんなことになります。返せるわけがないのに返せるようなふりをして身内や知人からお金を借りるようなことをすると財産だけでなく人としての信用まで失ってしまいます。

「借りたものは返すのは当然だ」という理由で、すべてを犠牲にして懸命に返済する方もおられます。その誠実な考え方は確かに正しいものです。私自身,そのように真面目に頑張る方は立派だと思います。

しかし、本来お子さんやご家族の生活,自分の将来のためにあてられるお金を削って返済していたり、毎日暗い顔をして周囲の雰囲気を壊したり、自分自身が体をこわしたり精神的に不安定になってしまったのでは、弁済することが正しいとも言い切れなくなってきます。

多額の借金を背負ったまま仕事をしていたのでは良い仕事はできません。働いて得た金がすべて借金の返済に回るのでは当然やる気が失せてしまいます。良い結果は出ず、大きなミスをしたり、無理をとおしたり、不正な行為に手を出したくなってしまうかもしれません。もともと病気であった方にとって、精神的負担は体に良くありません。健康な方でも頑張りすぎて病気になってしまうと,家族や社会にとって大きな負担になりかねません。

この競争社会ではどうしても苦しい状態になる方が出てきます。それをそのまま放置し、そのような人々が多数増えてくると、結局は社会全体にとっても大きなマイナスになってしまうのです。

そこで、法律は,様々な理由で債務を弁済できない人々に対して,もう一度やり直すチャンスを与えることにしました。特に問題がなければ法律的にその債務を免除(帳消し・棒引き)する制度です。それが,破産申立の制度と,それと共におこなわれる免責の制度です。裁判所が関与することにより、もう一度人生をやり直してもらうことが、その人や家族にとっても,社会全体にとってもプラスになるという考え方です。


2.破産申立

個人や会社などが,負債増大により返済不能となった場合には,お住まいの地域の地方裁判所に破産申立をする方法があります。
破産申立による破産開始決定は、簡単に言えば、財産と負債とを比べて、到底負債を支払えない状態であることを裁判所が認めたということです。
それだけのことです。よく勘違いする人がいますが,法律上は、破産は悪いことだとか、非難されるべきことだという意味はありません。選挙権がなくなる、戸籍に記載されるというような間違ったことを信じている方は少なくなりましたが,いまでも時々お見かけします。誤解されないようにしてください。

破産という手続は,お持ちの資産を金銭に代えて,それを債権者に平等に配分するという手続です。そのためにお持ちの資産を失うということにはなります。しかし、通常の家財道具(冷蔵庫,洗濯機,普通の価格帯のテレビや家具,衣服)などはそのままで何の影響もありません。生命保険(解約返戻金),自宅不動産,自動車などは残念ながら処分しなければならないのが原則です。ただし,生命保険などはご病気で新たに加入できない場合,解約返戻金と同じ額をなんとか準備し,それを破産管財人に渡す(債権者に配分する)ことにより確保する方法もありますのでご相談ください。
※ローン支払い中のご自宅を残したい方には,個人再生手続という分割弁済の方法がありますので,そちらをご検討ください。

信用情報登録について
「破産申立をすると新たにカードがつくれなくなるのではないか」というご質問は,結論としては「そのようなことがある」ということになります。ただし、正確には、「破産をしたため裁判所がそのような処分を行う」ということではなく、延滞や破産などの信用に関する情報が、金融機関やカード会社が加盟する「指定信用情報機関」に登録されるからです。裁判所の手続そのものではありません。破産をしなくても,例えば延滞になっただけでも登録されてしまいます。
しかし,新規にカードをつくれなくなっても生きていくことはできます。しかも,何年かすれば(例えば5年や7年)、その信用情報も消してもらえるので,元の生活に戻ることはできます。ある程度の不便があったとしても,それよりも現在悩んでいる借金・負債をなんとかすることを優先されてはいかがでしょうか。
なお,ご自身の信用情報については、一定の手続をとれば,信用情報機関に対して開示請求ができます。信用情報機関はいくつかありますので,インターネットで「信用情報機関」を検索して情報開示方法を御確認ください。


3.免責

破産手続と一体となった手続きで、裁判所により負債を法律的に消してもらうことを「免責(めんせき)」といいます。

先ほど述べましたとおり,わが国は、免責制度を導入して,破産した人に対して、税金などごく一部を除いて負債(借金)をすべて帳消しにし、もう一度新たな気持で生活を始めてもらうことにしました。借金の返済がなくなり、勤務先の仕事や商売を一生懸命やれば自分の手元にお金が残ります。そうすると,たとえば,お子さんの希望する学校,習い事・スポーツ・食事・塾等にお金を使うことができ、そのお子さんが将来のこの国を支えてくれることになります。何より,暗い顔のない暖かい家庭で育てることができます。御自身も、借金の返済のための人生から自分自身の人生を取り戻すことができます。

他方、債権者は、強制的に債権を失うことになります。その分税金を支払わなくて済む場合もありますが、損をする結果となります。債権者としてみれば何も悪くはないのに貸したお金が返ってこないという不合理な結果を押しつけられることになってしまいます。しかし、それでも、法律は、免責という制度を設け,やり直りのチャンスの方が大事であると決めたのです。

免責は,個人のやりなおしの機会のための制度であり,法人にはありません。会社等法人は破産をすると消滅となります。ただし、会社はまたすぐに別会社を設立して再チャレンジすることができます。

[非免責債権]
免責ですべての債権が帳消しになるわけではありません。まず税金は消えずにそのまま残るため,個別の対応や交渉が必要です(時効が成立することもあります)。その他,養育費,婚姻費用,個人事業主の従業員の給料,普通の過失ではなく重過失による交通事故損害賠償請求権なども免責決定があっても消滅しません。

[免責不許可]
破産をしたすべての方が免責を受けられるわけではありません。
・浪費等一定の理由がある場合には免責が不許可になることがあると法律は定めています。ただ、この点は「ギャンブルをしていれば免責は受けられない」というような単純なものではなく、最終的には裁判所が決めますので、問題がありそうな場合には、専門家とよくご相談されるのがよいでしょう。裁判所の裁量で免責が受けられるようになる場合があります。
・また、前回の免責許可決定の確定の日から7年以内の二度目の免責許可申立(通常は,破産申立と同時期)は免責不許可事由になってしまいます。7年を超えての申立てであれば二回目も可能です。三度目もさらに7年を超えれば可能ではありますが,裁判所はかなり厳しい目で審査することになります。「免責は一度だけ」という気持ちで過ごすことが大事です。

※免責を受けたとしても保証人の債務や設定した担保権は消えませんので,別途対応が必要です。

4.個人・法人を問わず秘密厳守で申立ての代理をします。

辰田法律事務所では,個人・法人を問わず破産申立の代理業務を行っております。数年後、破産・免責を受けてやりなおしている自分と、相変わらず借金を返済しつづけている自分と、どちらが良いのかという観点からお考えいただければと思います。いくつかある制度について十分理解されてから、今後の方針を決めるのが良いでしょう。

事業をされている方,会社を経営されている方は,早めに負債の対応策を検討されるべきです。破産は本当に最後の手続です。まずは,私的整理や調停などを利用して,事業を再生させることができないかどうかを検討しなければなりません。

すべての法律相談は秘密厳守ですので、ご相談ください。
個人の方で,破産のことが職場に知られるということはまずありません。確かに,破産したことは「官報」という国の紙面(期間限定でインターネットでも)に掲載されてしまいます。その情報を集めている業者もいるようで,破産をすると詐欺勧誘の手紙が来ます(ご注意ください)。しかし,これまで約30年間多数の申立てをしてきましたが,破産申立をしていることが職場に知られたという例はありません。負債を放置して給料差押えをされるよりは,破産申立の方がおそらく職場への影響は少ないでしょう。

5.費用について

手元に資金がないので破産申立を検討されるのですから、申立に要する費用の負担が大きな問題となります。
辰田法律事務所では,「事業をされていない個人の方」の破産申立の場合
基本は30万円とこれに対する消費税
裁判所予納金や切手代等の費用分として25,000円
の合計35万円程度
でお受けしております。
ただし、事案の複雑さによりこれより増額になる場合があります。特に、事業をされている方や,基準以上の多額の資産がある方、経営していた会社も同時に申立をされる方等は、通常これ以上の費用負担となります。また、裁判所への予納金額だけで20万円を越えるケースもありますので、できる限りそうならないよう事前の対策も重要です。
費用の点は遠慮なくお問い合わせください。

申立費用はすぐに用意できない場合も多いでしょうからできる限りの対応を検討します。ただ、どうしても費用はかかりますので,最後の資金を失う前にご相談いただくのがよいと思います。

生活保護を受けている等収入が乏しい方については、要件を満たせば、日本司法支援センター(法テラス)で申立費用の立て替えが受けらます。月1万円~5000円程度の分割返済(償還)か場合によっては返還免除となることもあります。この点もお問い合わせください。

6.個人再生・任意整理(過払請求)
負債が増えた場合の対応策は,破産申立だけではありません。別の方法が良い場合も多くあります。特に,ご自宅を住宅ローンで購入されている方は,個人再生手続の利用が適切です。
辰田法律事務所では、負債問題に関して,任意整理(過払金返還を含む)、民事再生(個人再生)についても取り扱っております。

詳しくは,別にございます「辰田法律事務所ホームページ」をごらんください。

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